養護老人ホームが老朽化で移転新築 訪問、居宅介護も併設(長野)

2024年0410 福祉新聞編集部
新しい木曽寮での食事の様子

長野県木曽郡唯一の養護老人ホーム「木曽寮」が老朽化のため移転新築され、1日に本格稼働した。これまで運営してきた木曽広域連合の指定管理者として社会福祉法人木曽社会福祉事業協会(田上昭彦理事長)が運営する。

 

新施設は旧施設から5キロほど離れ、同法人の障害者施設と隣接する。鉄筋コンクリート造りの一部2階建てで、延床面積は約3000平方メートル。総工費は約17億円。県の補助金が約2億3000万円で、残りは木曽広域連合が負担する。

 

全個室で定員55人。旧施設(定員70人)から15人減った。今後の木曽郡の高齢者人口と木曽寮への過去の入所措置者実績から設定したもので、「措置控え」を考慮して定員減としたわけではない。むしろ入所措置判定となっても、本人が自宅で暮らすことを望むケースがあるという。

 

木曽寮には訪問介護と居宅介護支援も併設しており、入所者に介護保険サービスを提供する。

 

2階の集会所は木曽寮と障害者施設入所者の水害時の垂直避難場所となる。ボイラーで間伐材を燃やして温水や床暖房に使い、屋根にソーラー発電機も設置した。6室はトイレ付きで感染症になった人の隔離部屋としても使用できる。さらに調理員の確保が難しいため、厨房では数日間料理を保存できるニュークックチル方式を採用。同法人の別の場所にある就労系事業所の障害者も働く。

 

すでに49人が新施設に引っ越し、相部屋から個室に替わって喜んでいるという。田上理事長は「これまでの児童、障害に高齢も加え、福祉サービスをワンストップで提供できる。木曽郡の広域的な社会福祉法人としての使命を果たしていく」と話している。