介護報酬プラス9%に 全国老人福祉施設協議会が厚労省に要望
2023年12月07日 福祉新聞編集部全国老人福祉施設協議会(大山知子会長)は11月17日、物価高と賃上げに対応するため、2024年度介護報酬の改定率をプラス9%とするよう間隆一郎・厚生労働省老健局長に要望した。66の県、市老施協(デイサービスセンター協議会含む)がそれぞれの地域で要望した国会議員が合計288人に上ることも報告した。
全国老施協はこれまで介護報酬の大幅な引き上げを求めてきたが、厳しい経営状況にあることを的確に伝えるため、今回は具体的な改定率を示した。全国老施協の調査で特別養護老人ホームの22年度決算(補助金除く)による収支差率はマイナス2・8%、赤字施設の割合は62%に上っている。
プラス9%の根拠は特養運営費を人件費(67・1%)と経費(32・9%)に分け、人件費は中小企業の23年度賃上げ率(3・23%)を基準に3年分、経費は日銀による物価見通しの24、25年度の中央値平均(2・3%)を基準に3年分をそれぞれ算出して足した。
全国老施協はプラス9%とするか、毎年賃金、物価の上昇率に応じて介護報酬を見直す仕組みを検討するか提起し、「ここまで上げてもらわないと経営の継続が危ぶまれる事態に陥っている」と要望した。