認知症GH協会、原則入院の堅持求める 事業所内療養で感染拡大も

2022年0831 福祉新聞編集部

 日本認知症グループホーム協会(河﨑茂子会長)が8月16日に公表した「新型コロナ第6波(1~6月)の感染状況等調査」の結果によると、回答した604事業所のうち19%で感染が発生していた。感染した入居者の大半は事業所内で療養せざるを得ず、入院できないため感染が拡大した事業所が64%あった。1事業所の最大感染者数は入居者17人、職員14人だった。

 

 同協会は「小規模な事業所で入居者が認知症というもとでは感染発生は即クラスターとなる。入居者が感染したときは原則入院を堅持してほしい」と訴えている。

 

 調査では、入院できなかった理由として「コロナの治療ができない」「ベッドに空きがない」に次いで「認知症のため」が挙げられた。

 

 入院できない場合の対応は、大半がゾーニング(感染防止の区分け)などを行っていたが、特段のことはできなかった事業所も12%あった。

 

 感染発生時から職員体制が困難になった事業所は63%あり、多くは法人内の応援態勢で乗り越えた。自治体による職員応援態勢については「ない」が56%を占め、「ある」の24%より多かった。

 

 事業所内療養について「可能」との回答は8%。「可能ではない」「好ましくない」を合わせると63%となり、全体としては否定的だった。理由は「事業所は小規模であり物理的にもゾーニングが困難」「認知症の人はコロナの理解が難しく徘徊などもあるため隔離が困難」「介護職員の医療知識や経験が不十分で対応困難」などが挙がった。

 

 また、入居者の心身状態への影響があるとの回答は83%あり、ADL(日常生活動作)などの低下、認知症の進行、会話の減少などが挙げられた。

 

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