熱中症予防――水分と塩分補給を
2021年07月16日 福祉新聞編集部「汗と涙の結晶」と言いますが、何が結晶になっているのでしょうか? それは塩化ナトリウム=塩です。正確にはカリウムなど、ナトリウム以外の成分も含まれますが、涙も汗もしょっぱいのは、塩分が含まれているからです。涙の塩分濃度は、感情によって変化することが知られています。悲しいときに流す涙とうれしいときに流す涙は塩分濃度が違うのです。
では、汗の塩分濃度は何に影響されるのでしょうか? 答えは「発汗速度」と「暑さに慣れているか=暑熱馴化じゅんか」です。汗腺で最初につくられた汗は、ほぼ血液と同じ塩分濃度です。そして、細い管(導管)を通って皮膚から汗として分泌されるのですが、導管を通る間に、塩分が血液の中に再度吸収されます。じんわりと汗をかくような状況(発汗速度が低い)では、導管でたくさんの塩分を再吸収することができます。したがって、汗の中の塩分濃度は低くなります。
続きは本紙で