通信制高校生30万人 不登校の広がり背景に急増〈文科省〉

2025年0914 福祉新聞編集部
高校の生徒数の推移

通信制高校に通う生徒が2025年度に初めて30万人を超え、過去最多を更新したことが8月27日、文部科学省の学校基本調査の速報値で分かった。高校生全体に占める割合は9・6%、約10人に1人に上る。不登校の広がりが背景にあり、通信制高校が生徒のメンタルケアの担い手となるケースも増える見通しだ。

速報値によると、5月1日現在の通信制高校の生徒数は30万5221人で、女子が男子よりも多い。24年度と比べると、1万5134人(5・2%)増えた。全日制が4万2433人減ったのと対照的だ。

通信制の生徒数は05年度以降右肩上がりで、特に20年度以降は伸びが著しい。

背景にあるのは不登校の増加だ。小中学生のうち年間30日以上欠席した不登校のこどもは23年度は約35万人で、11年連続で増えている。高校生も3年連続で増え、約6万9000人に上る。

高校生の自殺についても、人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)で比較すると、全日制の生徒よりも定時制・通信制の生徒が高く、過去3年は特に定時制・通信制女子の自殺が増えている。

文科省は高校のスクールソーシャルワーカーの配置を充実したり、心理・福祉の専門性を持つ教員を育成したりすることを促す方針。また、不登校の小中学生向けの個別の教育課程を設けたり、不登校の高校生が自宅から遠隔授業で学べるようにしたりすることも推進する。

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