アセスメント力向上を 全国乳児福祉協議会が全国大会

2024年1020 福祉新聞編集部
平田会長

全国乳児福祉協議会(平田ルリ子会長)主催の「全国乳児院協議会」が10、11両日、秋田市内で開かれた。増加を続ける一時保護委託やショートステイを踏まえ、平田会長は児童相談所や市区町村との連携ツールとなるアセスメントシートを作成するなど、乳児院のアセスメント力向上への取り組みを進める考えを示した。

社会的養護について、国は家庭養育優先原則を打ち出し、里親の割合を増やす方針だ。各都道府県は本年度末までに、里親等委託率などを示す新たな社会的養育推進計画を策定する。

国が3月に示した同計画の策定要領は施設の必要定員数の減少を前提にしているとし、全乳協、全国児童養護施設協議会、全国母子生活支援施設協議会はこども家庭庁に対し、地域の実情を踏まえた計画策定を阻害しないよう求めていた。

策定要領では乳児院の入所児童が「低減していくことを見据え」と記載された。ただ、乳児院への一時保護委託は年々増加。ショートステイ、レスパイトの利用なども増えており、全乳協によると乳児院を利用する延べ児童数は定員の3倍近くになる。

また、全乳協はアセスメントや被虐待児への専門養育などの機能を持つ「乳幼児総合支援センター」構想を打ち出しており、多機能化・高機能化を一層進めるとしている。例えば、児童福祉法の改正で創設された「里親支援センター」は5月時点で15カ所設置されており、このうち9カ所は乳児院を運営する社会福祉法人が担っている。同様に児童福祉法改正で導入された「妊産婦等生活援助事業」でも乳児院が積極的に参画している。

平田会長は「こどもの育ち、子育て環境の変化や地域性などを踏まえ、各乳児院が果たすべき役割や機能のあり方を改めて確認し、計画的に取り組んでいくことが重要な課題だ」と述べた。