こどもまんなかアワード初開催 こども若者支援で表彰

2023年1207 福祉新聞編集部
岸田首相(左)から賞状を受け取る荒井理事長

こども家庭庁は11月24日、「第1回未来をつくる こどもまんなかアワード」の表彰式を開催。内閣総理大臣表彰のこども若者部門には、名古屋市のNPO法人全国こども福祉センターが選ばれた。

 

同センターは、かつて名古屋市内の児童養護施設で児童指導員を務めていた荒井和樹理事長が2012年に設立。10年以上にわたり、名古屋市内の繁華街などをさまようこどもや若者に声を掛ける活動をしている。かつて声を掛けられた若者らが声を掛ける側に回る循環をつくっているのが特徴だ。現在メンバーは60人以上で、平均年齢は20歳だという。必要に応じて社会福祉士や医師が対応する。一時避難所などの支援も提供している。

 

同日、首相官邸で行われた表彰式で岸田文雄首相は「こども若者一人ひとりに寄り添い、支えていくための力強い支援者だ」と評価。「素晴らしい取り組みを全国に伝え、こどもまんなか社会の実現のための支援の輪を広げていきたい」と述べた。

 

荒井理事長は1982年、北海道生まれ。日本福祉大大学院を修了しており、社会福祉士の資格を持つ。表彰式後、本紙の取材に「立ち上げ時は、活動の意味をあまり福祉関係者に理解してもらえなかった。こどもが主体の活動が全国に広がれば」と話した。

 

このほか、応援団部門では、ヤングケアラーを対象にしたピアサポート活動を行っている一般社団法人ケアラーアクションネットワーク協会(東京都)が受賞。短編映画の制作や全国規模のシンポジウムを主催するなど社会へ広く効果的に訴える取り組みが評価された。

 

内閣府特命担当大臣表彰には、中学生が小学生に学習支援をするMaple tree(山形県)や、孤立しがちな学生の居場所づくりを行う静岡県立大学生ボランティアセンター(静岡市)など5団体が選ばれた。