「現代の名工」に障害者部門創設 全盲の齋藤さんら選出〈厚労省〉

2023年1122 福祉新聞編集部
盲導犬を同伴して表彰を受けた齋藤さん(右端)

厚生労働省は10日、工業や建築、調理などの分野で卓越した技能を持つ150人を、2023年度の「現代の名工」に選んだと発表した。今年度から障害のある技能者を対象とした部門を創設した。同部門では、デジタルデータを音声で読み上げるソフトウエアを開発した全盲の齋藤正夫さん(75・石川県)らを選出した。

 

13日に都内のホテルで表彰式が行われ、齋藤さんは被表彰者代表の謝辞で「私はコミュニケーションの苦労を少しでも改善できないか、パソコンに着目してソフトの開発に取り組んできた。今後も技能向上に精進し、その心を後進に伝承していく」と述べた。

 

齋藤さんは1983年から音声読み上げソフトの開発を始め、後に世界初の日本語の「スクリーンリーダー」を世に送り出した。これにより、視覚障害者の社会参加が進んだことが評価された。

 

障害者部門では、左上肢に機能障害のある瀧こと代さん(紳士服仕立職・静岡県)、聴覚障害のある中澤昇一さん(歯科技工士・東京都)も選ばれた。

 

厚労省によると、障害者部門創設の狙いは、他の障害がある技能者の目標となる技能の研さんを促すこと、障害者雇用の質を高めることの2点という。

 

「現代の名工」の表彰制度は、技能者の地位や技能水準の向上を図るため67年度に始まり、今回が57回目。毎年、100~150人程度が表彰されている。