消費減税より保障を〈コラム一草一味〉

2026年0418 福祉新聞編集部

バンクミケルセン記念財団 理事長 千葉忠夫

 去る2月に行われた衆議院議員選挙において、一政党を除いたすべての政党が消費税の廃止か削減を訴えたのには驚きを禁じ得なかった。消費税は国の財源であり、国民のために使われるものである。人間は1人で生活できない故に社会があり国家がある。母子、児童、障害者、高齢者ら社会的に弱い立場にある人々の生活を可能な限り正常な生活に近づけるよう支援しているのが社会福祉国家である。

 社会的に弱い立場の人たちは経済的に自立ができないので、経済的に支援して自律生活を営まさせているのが社会福祉国家だ。社会福祉国家デンマークは財源のほとんどを国民が累進課税によって納めている直接税と一律の消費税によって賄っている。

 消費税をなくし、家庭への収入を増やしたとしてもそれは単なる見せ掛けに過ぎない。教育費、医療費、社会福祉費などに対する負担が大きければ減税は何ら意味がない。政治家が減税をうたっているのは、本当に国民が満足できる生活を実現しようとしているのか、はなはだ疑問である。国民は誰もが一生の生活を保障されたいと願う筈はずである。日本国民は一生の生活を国が保障してくれないので「こどもの教育費」「病気をした時の医療費」「老後のため」と貯金をし、保険を掛けて個人を保障しているのである。

 私は社会福祉国家は民主主義を理解している国民が築いていると絶えず述べてきた。民主主義のキーワードには「自由」「平等」があるのは当然のことで、さらには「連帯」「共生」が大事であることを知るべきだ。社会福祉国家を築くためには納税することが「連帯」であり、その財源を社会の中で必要とする人々に公平に分配することが「共生」なのだ。

 日本国民が安心して暮らせる幸せな国をつくりたいと、半世紀以上訴え続けているのだが、皆さんの答えは「デンマークのように国が保障してくれるなら税金を払うが、払った税金が何に使われるのか分からないので払わない」。

 人だましの減税よりも個人の貯金や保険金を国に納めたら、すべての国民の生活を「ゆりかごから墓場まで」保障すると断言できる政治家が現れることを望む。

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