〈能登地震〉福祉支援の財政措置を 全社協が松村大臣に要望

2024年0305 福祉新聞編集部
左から金井氏、松村大臣、古都氏、谷村氏

今年元日に起きた能登半島地震から2カ月が過ぎたが、全国社会福祉協議会は2月27日、松村祥史・防災担当大臣に、被災者支援の強化を求める要望書を提出した。災害派遣福祉チーム(DWAT)や災害ボランティアセンターなどの財政支援を要請。その上で災害法制に福祉的な支援を位置付けるよう訴えた。

 

特に被害が大きかった石川県では241人が死亡し、うち避難後に体調が悪化した災害関連死は15人だった。また、26日時点で1万1735人が避難するなど不安定な暮らしが続いている。

 

全社協は1月2日から福祉的な支援に向けた調整を開始。現地の福祉施設への職員派遣や、専門職によるDWAT派遣の調整などを行ってきた。

 

要望書によると、厚生労働省が、派遣職員の人件費は現地の福祉施設が支払うのが原則との見解を示していることから、受け入れをためらうケースがあるという。そのため「災害救助費から人件費を支弁するなど財政支援を拡充してほしい」と訴えた。

 

また、DWATについて、避難所での活動は災害救助費で賄われるが、自宅や車で避難生活を送る人への活動は対象となるか明確ではないため活動対象の拡大を要請している。

 

さらに、暮らしの再建に向けた相談支援を行う支え合いセンターを早期に立ち上げられるよう、要件緩和を要望。利用者を別の福祉施設に避難させた法人に対する事業継続支援も求めた。災害ボラセンについても、バスや車を借りる経費が自治体や社協の負担であることを指摘した。

 

こうした要望の背景には、福祉的支援が災害救助法の枠組みから外れているという点がある。

 

全社協は76年前の同法制定時と比べて、単身高齢者が増えるなど社会環境は変わったと指摘。生活再建に進めない被災者に寄り添った支援が重要だとして、医療などと同様に災害法制に福祉を位置付けるよう求めた。

 

同日、古都賢一・全社協副会長、金井正人・全社協常務、谷村誠・全国社会福祉法人経営者協議会副会長は内閣府を訪れ、松村大臣に要望書を手渡した。

 

提出後、古都副会長は記者団に「要望とともに、今後も被災者支援をしっかりやることを伝えた」と話した。松村大臣は「運用を議論し、一歩ずつ前に進めたい」と応じたという。全社協は今後、厚労省にも同様の要望書を提出する予定だ。