〈熊本地震〉児童養護施設八代ナザレ園が地域住民に風呂開放 県内施設が連携して支援
2026年08月29日 福祉新聞編集部
7月28日の熊本地震後、熊本県八代市の児童養護施設八代ナザレ園(鎌田隆裕園長)は、住民に風呂を開放するなど地域支援に力を入れた。一方、県内の社会的養護施設は連携して、応援職員を送るなど同園を支える動きが広がった。ただ、発災から1カ月を前に、こうした支援はいったん区切りを迎える。
こどもに被害なし
「もともと県内の社会的養護施設が協力し合う土台はあった」。こう話すのは、同県水俣市の社会福祉法人光明童園、堀浄信理事長。県内の児童養護施設や乳児院など20施設でつくる熊本県養護協議会の会長も務める。
地震発生時、出張で県外にいた堀理事長はすぐにLINEで、協議会員の全施設長が参加するグループを作成するなど被害状況を集約した。
その結果、地震翌日の午前10時半までに、こども、利用者、職員すべての無事を確認した。一方、11施設では壁に亀裂が入るなどの被害が出たという。
地域支えるチャンス
余震が続く中、同園は地域住民に給水支援を行う中で入浴のニーズを把握し、シャワーの開放を決めた。同園は井戸水を使っていたため、インフラの被害が少なかった。鎌田園長は「支援される機会が多いからこそ、地域を支えるチャンスだと思った」と振り返る。
反響は大きかった。翌日から施設も含め8カ所の風呂を開放すると、3日目には400人以上が訪れた。大行列ができ、「時間制限があるとは聞いていない」などと声を上げる人も出たため、対応に追われた。
その後、NPO法人の支援で移動式のシャワー室8台を追加。また、全国から届いた食べ物や飲み物などを住民に無償で提供した。
一方、同園の地域支援が長引けば職員らが疲弊することは目に見えていた。県養護協議会は、8月2日から県内施設から同園に職員を派遣することを決定。物資の整理や配布、清掃など養育以外の業務をサポート。同園職員らが、こどもに向き合う時間を確保した。
支援に区切り
25日、同園は夏休みが終わるのを前に、風呂の提供を終了。併せて同協議会による職員派遣もいったん区切りとした。
堀理事長は「10年前の熊本地震の時と比べると被災施設に対する組織的な支援ができたのではないか。今後は災害による家庭内の問題が顕在化する可能性もあり、注視していきたい」と話している。
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熊本地震発生から1カ月。壁のひび割れや停電、断水などの被害を受けた福祉施設は8月26日までに1872カ所に拡大した。高齢者施設997カ所▽障害者福祉施設360カ所▽児童福祉施設512カ所▽救護施設3カ所―だった。
社会福祉法人なども運営する福祉避難所は5市町に9カ所開設。避難者は熊本市2人▽八代市6人▽宇城市19人▽御船町3人▽氷川町28人――となっており、計58人に上る。

