〈福祉職員退職手当共済〉支給要件5年以上への変更を求める声

2026年0606 福祉新聞編集部

 厚生労働省の社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方に関する検討会が5月29日に開かれ、関係団体へのヒアリングを行った。出席した関係団体からは制度の安定運営に向けて、現在勤続1年以上となっている退職手当の支給要件を5年以上に見直すよう求める声が上がった。

 退職手当共済制度は社会福祉法人の8割が契約しており、加入職員は88万人に上る。法人が納付する掛け金で同年度に必要な退職手当を賄う賦課方式で運営されており、2026年度の掛け金は職員1人当たり14万8500円となっている。

 ただ、介護保険制度創設時に加入した職員が退職期を迎えたことや、職員の処遇改善が進んだことなどから、掛け金の引き上げを抑えるための支払準備金が急速に減少していることが課題となっている。

 ヒアリングで、全国社会福祉法人経営者協議会の山田雅人副会長は、近年の物価高騰や人件費の上昇で、法人経営が厳しさを増しているとして「掛け金引き上げありきの議論はすべきではない」と強調。退職手当の支給要件を現在の勤続1年以上から5年以上へ見直すことを提案した。

 また、退職手当は「後払いの給与」の性格を持つとして、福祉人材の処遇改善の観点から公的資金の投入も検討すべきだと訴えた。

 全国老人福祉施設協議会の瀬戸雅嗣副会長も、支給要件を勤続3年以上または5年以上に引き上げることで、掛け金負担の抑制を図るべきと主張。資産運用を可能にする法改正など、財政基盤の強化策も提案した。

 日本保育協会の高橋英治保育問題検討委員会委員長は、退職手当の給付水準の見直しはやむを得ないとしながらも、掛け金の急激な上昇は避けるべきだと指摘。制度の安定運営に向け、公的資金の投入を検討する必要があるとの考えを示した。

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