児童生徒の自殺調査で新指針 遺族の意向確認を徹底〈文科省〉
2026年02月08日 福祉新聞編集部
文部科学省はこのほど、児童生徒の自殺が起きた際に学校などが行う調査に関する指針を改定した。再発を防ぐ観点を重視し、遺族の意向確認を徹底するよう求めた。
改定は2014年以来11年ぶり。今年2月1日以降に発生した自殺事案から新指針に沿って対応するよう、昨年12月26日付で都道府県・政令市の教育長などに通知した。
こどもの自殺が過去最高を更新する中、自殺原因の究明と再発防止に向け、より踏み込んだ対応を学校側に求めた。
第三者調査を推奨
学校は児童生徒の自殺が起きると、指導記録などから事実関係を確認する「基本調査」を行う。いじめ・体罰が疑われる場合や、遺族が希望する場合は第三者の弁護士や精神科医を交えた「詳細調査」に移る。
24年度の文科省の調べによると、詳細調査の説明を受けた遺族は全体の3割に過ぎず、詳細調査を実施した事案は1割にとどまる。
新指針は「すべての事案で詳細調査を実施することが望ましい」とし、遺族の意向を確認する様式を作成。遺族には確実に説明するよう求めた。
また、基本調査の内容にバラツキが生じないよう、調査すべき事項を整理したひな型も新たに示した。調査で得られた結果を遺族に報告し、文科省、こども家庭庁と共有することも明記した。
遺族「初動が肝要」
指針改定を受けて、遺族団体が1月29日、文科省内で会見し、遺族の意向を尊重する方向に進んだ点を評価しつつ、学校が主体の基本調査には限界があると主張。在校生に背景を聞き取る際の範囲も広く取るよう求めた。
会見したのは教師の不適切な指導によって家族を失った人たちによる「安全な生徒指導を考える会」。13年に札幌市内の高校に通う弟を失ったという女性は、「初動から第三者が入る形を取らないと、その後の調査も難航してしまう」と訴えた。
厚生労働省によると、小中高校生の自殺は16年以降上昇傾向にあり、25年は532人(暫定値)で過去最高を更新した。学校問題の内訳では学業不振、進路に関する悩み、学友との不和(いじめ以外)が多かった。

