一時保護委託に事前登録 こども家庭庁が制度改正案

2024年0707 福祉新聞編集部

こども家庭庁は6月25日の児童虐待防止対策部会に、虐待などを理由に児童相談所が行う一時保護に関する制度の改正案を示した。事前登録を済ませた施設などに対してのみ、一時保護を委託できるようにする制度の創設を目指す考えを示した。実現には児童福祉法の改正が必要で、事前登録の基準や運用方法についても詰める必要がある。

2022年の児童福祉法改正で一時保護施設の設備・運営基準が設けられた。一方、児童養護施設、自立援助ホーム、ファミリーホームなどの一時保護の委託先については特段の基準がなく、児相所長または都道府県知事が「適当と認める者」に委託している現状がある。

こうした背景から、同庁は原則として、事前登録を受けた人だけに一時保護委託できるようにするなど、一定の質を担保していく必要性を同部会で説明した。

これに対し、藥師寺順子委員(大阪府中央子ども家庭センター所長)は「小規模化、地域分散化が進む児童養護施設では、職員の確保が厳しい状況で一時保護委託のみならず、入所の受け入れ自体が困難な施設もある。加算などのインセンティブが必要ではないか」と指摘した。

ほかの委員からは事前登録制に理解を示しつつも、「質の担保に走りすぎて窮屈にならないか」などの声も上がった。