包括的な虐待防止条例、1月に施行 児童、高齢、障害に対応(千葉・野田市)

2023年1229 福祉新聞編集部

千葉県野田市は、児童、高齢者、障害者のすべての虐待に対応する条例を2024年1月1日に施行する。19年1月、小学4年(当時)だった栗原心愛さんが両親から虐待され死亡した事件を受けたもので、より実効性を上げるため児童以外も含めた包括的な条例とした。市議会12月定例会で、全会一致で可決された。

 

条例案は児童、高齢者、障害者ごとに実務の具体的なルールを規定した。単なる理念ではなく、実効性のある条例案とするのが目的だ。

 

例えば児童虐待では、妊娠期からの支援および乳児家庭全戸訪問事業などを活用した虐待の未然防止の取り組みのほか、児童虐待防止推進月間を設け、関係機関と連携して必要な広報・啓発を実施しなければならないとした。

 

市によると、千葉県内で三つの虐待を対象にした虐待防止条例を制定している自治体は1市のみ。全国では8自治体あるが、各虐待を章ごとに分けて実務の具体的なルールを条例に規定しているのは全国にも例がないという。