食費過大徴収で指定取り消しの「恵」 障害者GHを一括譲渡の方針

2024年0810 福祉新聞編集部

厚生労働省は、五つの障害者グループホーム(GH)の指定が取り消され、99のGHに指定更新などを認めない連座制が適用された運営会社「恵」(東京都港区)から、最短で年内に全GHを一括して譲渡する予定だとする報告書を7月31日付で受け取った。10月までに指定取り消し、または連座制により運営できなくなる三つのGHについては個別譲渡を検討しているとした。

ほかに、指定取り消しや連座制が適用されるGHの利用者や家族に対する説明会を開催することや、過大徴収した食費の返還は各自治体と個別に進めていることなどが記されていた。

これを受けて厚労省は、同日付で同社に行政指導を行った。GHの譲渡について、指定取消処分の効力発生日、または連座制の適用により指定更新が受けられなくなる日以降も、希望する利用者が転居することなく、継続的に障害福祉サービスを利用できるよう調整を行うことを求めた。また、利用者、家族、従業員への丁寧な説明や、過大徴収した食費の迅速な返還も求めている。

同社のGHをめぐっては利用者から食費を過大徴収したり、サービス報酬を不正請求したりしたことが発覚した愛知県内の五つのGHが6月に指定取消処分を受け、食費の過大徴収に組織的な関与があったため、12都県の99のGHに連座制が適用された。